新型NEWミニに待望のワゴンボディ登場


往年のミニでは、絶大な人気を誇ったワゴンボディが、新型となったNEWミニにもようやく追加されます。いわゆる旧ミニでは、販売ブランドによってカントリーマン、トラベラー、エステートとそれぞれ名称が異なったワゴンボディですが、NEWミニでは『MINI CLUBMAN』と名付けられ、今秋から欧州を皮切りに販売をスタートします。

クラブマンのボディは、通常のハッチバックモデルに比べて全長で260mm延長され、Bピラーから後は全く新しくデザインし直されたものです。特にボディ右側には、『クラブドア』と呼ばれる観音開きタイプの小さなリアドアが追加され、後席の乗降性は大きく改善されました。その後席についても、全長のストレッチに伴って約80mmもレッグルームが広がったことから、ハッチバックモデルの2+2的な仕様から、しっかりと大人2人が乗れるスペースを確保しました。

観音開きドアという手法は、最近ではマツダのRX-8でも採用されているものだけに、特別斬新というわけではありませんが、デザイン性と機能性をうまく両立した設計として歓迎できるものではないでしょうか。このクラブドアのドアノブはボディ外板にはなく、フロントドアを開けた後にのみ開閉が可能なのもRX-8と同じです。ただイギリス仕様でも、右側にクラブドアが設置されているようなので、日本に導入されるときにはしっかりと左側に移植されるのか? という点は気になるところです。

またラゲッジスペースも大きく拡大され、通常時で260リッター、リアシートを倒すことで930リッターの容量を確保しました。とはいっても、トヨタ・ヴィッツでさえ274リッターのトランク容量を持っていることを考えると、その辺は相変わらずデザイン重視な設計のようですが、ハッチバックに比べれば十分に使える荷室になったはずです(ハッチバックではそれぞれ160/680リッター)。

まぁ、そうした細かいハナシは抜きにして、やはりこのクルマの最大の魅力はそのデザインでしょう。260mmも全長が延びた割には、それほど間延びした印象も与えず、リアゲートまわりのトリム処理には旧ミニのワゴンボディのデザインモチーフをうまく取り込むことで、チャーミングなNEWミニにまた新たな魅力を追加しました。一連のリバイバルものとしては最大のヒットを飛ばしたミニの最後の隠し玉ともいえるクラブマンは、新型になってちょっと勢いが落ちたNEWミニの新たな起爆剤となることは間違いありません。

イタリアではFIATチンクチェントの新型が発表されるなど、まだまだ続きそうなリバイバルブームですが、メルセデスでもいよいよあのガルウィングの名車を復活させる、というような噂も聞かれるだけに、この分野もなかなか目が離せない状況が続きそうですね。