ベンツ SLRマクラーレンにロードスターが登場


自動車の世界の天上界の究極モデルに、さらにゴージャスなオープンタイプのロードスターがラインナップされる……。そんな何とも夢のようだが現実の話が、今回紹介する「メルセデス・ベンツSLRマクラーレン・ロードスター」だ。

20世紀末あたりからポツポツとその火種が現れ始め、21世紀に入るやついに本格化した超ド級スーパースポーツの頂上対決に、メルセデスが満を持して送り込んだのが、SLRマクラーレンだ。エンツォ・フェラーリ、ポルシェ・カレラGT、ランボルギーニ・ムルシェラゴ、ブガッティ・ベイロンといったライバルたちと向こうを張るべく、メルセデスが白羽の矢を立てたのが、F1でもタッグを組むレーシングコンストラクターのマクラーレンだ。マクラーレンの手によるSLRのボディは、F1のモノコックをはじめ、あのマクラーレンF1-GTRでも生かされたカーボンコンポジットによるフレームワークをさらに発展させたものだ。オープンボディのロードスターでは、Aピラーにスチール鋼板を追加するなどのさらなる剛性アップが図られ、クーペと同等のねじれ剛性を確保しているという。

AMG製のスーパーチャージャー付き5.5リッターV8エンジンやセラミック素材を使ったブレーキディスクを採用するCブレーキ、緊急制動時にアクティブリアウィングが立ち上がってリアタイヤのダウンフォースを高めるエアブレーキ機能など、その基本スペックはクーペと変わらないが、何とソフトトップのオープンボディにも関わらず、332km/hという最高速が実現可能というのだから、もはや何も言うことはあるまい。セミ・オートマチックの電動ルーフは、ロックの解除のみが手動で、開閉操作に掛る時間は10秒以内で、デイリーユースと究極のスポーツ性の融合を図ったとか……。

そんな夢のスーパースポーツの生産が開始されるのは9月からの予定で、イギリスにあるマクラーレンの工場でその生産は行われる。気になる国内でのお値段はクーペモデルの1015万円アップとなる7000万円となる。一方、昨年限定モデル「722 Edition」も発表されたクーペモデルは一時その生産は停止し、しばらくはロードスターのみの設定となるようだ。

ところでこのSLRの日本国内での販売は、通常のモデルのようにメルセデス・ディーラーで取り扱われるのではなく、DC日本が直接販売を担当するというもの。パーソナル・リエゾン・マネージャーと呼ばれる専属のスタッフが付き、一台づつその受注から納車後のサービスまでを専任で行うという異例の待遇だ。そんなあたりもまた、このクルマのスペシャルな部分といえるのかもしれない。

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