メルセデスベンツ デトロイトショーレポート その1


1月7日からアメリカ・デトロイトで行われている北米自動車ショーにおいて、メルセデスベンツでは注目すべき最新のテクノロジーとゴージャスなコンセプトカーを発表しました。

デトロイトショーは今年で100周年を迎えたそうですが、メルセデスでも初めての四輪駆動車を発表して今年でちょうど100年を数えたということで、570平方メートルのアイスリンクを用意し、そこに最新の4WDモデルを展示してダンサーによるショーなどを催して盛大なセレモニーを行いました。

メルセデス独自の4WDシステム“4MATIC”は、現在第4世代へと進化し、新型Sクラスにその最新のシステムが採用されています。

最新の4MATICシステムでは駆動力配分の制御をさらに洗練させるとともに、2WDモデルに対して燃費の悪化をこれまで以上に抑えることに成功しています。

それは主に4WD化による車重の増加を+66?70kgと、他社の4WDシステムに比べてもかなり低く抑えることができた効果によるものです。

車重増というのは、4WD車の最大のデメリットですから、その増加を抑えることは燃費向上に何よりも効果的な処方でしょう。

またメルセデスの最新ディーゼルテクノロジー“BLUETEC”を採用した新型V8エンジンを、コンセプトカー“VISION GL420 BLUETEC”に搭載し、今後ますます排ガス規制の厳しくなる米国においてメルセデスの環境性能をアピールしました。

最新のディーゼル技術については以前にもこのコラムでご紹介させていただきましたが、BLUETECとはそうした新世代ディーゼルの中でもメルセデスが独自に開発を進めてきたディーゼルテクノロジーで、さらなる排出ガスのクリーン化と燃費の改善、そしてドライバビリティの向上を実現したものです。

実はこのBLUETECテクノロジーを採用した最新ディーゼルエンジンは、排ガス規制の最も厳しい米国市場へ向けて昨年秋、すでにEクラスに搭載され“E320 BLUETEC”として導入されています(トラックなどの商用車の分野ではヨーロッパでもすでに導入済み)。

211ps/540Nmという最高出力/最大トルクを発生するこの最新のV6ディーゼルは、100kmを6.7Lの燃料で走行可能な燃費(日本式で言えば約15km/L)を実現していますが、今回発表されたV8エンジンでは9.8L/100km(約10km/L)の燃費と290ps/700Nmというハイパワーを両立しています。

SUVの分野では最大のシェアを持つ米国でのショーですから、昨年のデビュー以来好評のGLに搭載しての最新エンジンの発表というのは、現地としてはかなりインパクトのあったものに違いありません。

新世代ディーゼルの普及という点では完全に遅れをとっている日本ではなかなか理解しにくい状況ですが、日本のメーカーを含めて、今世界のマーケットではディーゼル技術の発展というのは大きなキーワードになっていることが分かります。

さらにSクラスをベースに、魅力的なデザインを施したコンセプトカーも発表していますが、そちらについてはまた次回ご紹介したいと思います。

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