M103 エンジン ヘッドオーバーホール/1

今回からM103 と呼ばれる3000ccシングルカム6気筒エンジンのヘッドオーバーホールをご紹介致します、車体は300GE 92年型です、同じM103型の2600ccエンジンも排気量が異なるだけで修理方法に関しては変わりません。
今回もそうですがメルセデスエンジンの場合は腰下と呼ばれるシリンダーブッロックとピストンに関してのダメージは少なく大抵の場合はヘッドのオーバーホールだけで見違えるように元気なエンジンになります。
今回のオーバーホールが必要になった原因ですが直接的理由はオーバーヒートをしてしまいヘッドガスケットが抜け水路とオイル通路とが仲良くなってしまい冷却水にオイルが流れ込む様になってしまいました、こうなるとオイルとクーラントが混ざり薄茶色のヘアームース状になりサブタンクとかラジエーターとヒーターコアーも含め水路全体にムースが蔓延してしまいます、こうなるとますますオーバーヒートしやすくなりますがそれでも無視して更に走行をするとヘッドが変形してガスケットが吹き抜けてしまい走行出来なくなりますのでオーバーヒートした場合は無理な走行はさせない方が賢明です。
そのヘッドオーバーホールですがヘッドを外して必要な加工して新しいヘッドガスケットと共に元に戻すだけの事なのですがどうせ分解したのだからウォーターポンプもベルトもテンショナーとダンパーも新品で組み戻したい(工賃変わらず)と
言うような事になる場合が多いです。
写真上左ですがまずはベルト関係を外してます、次はカムカバーとインジェクション関係とインテークマニホールドなどの目立つものを外し燃料系統のパイプ類アクセルリンケージ、ホース類も順次外して全ての繋がりを切ります、次にヘッドをシリンダーブックに固定しているヘッドボルト14本を外す事によりヘッドの取り出しが可能となります。
写真下左ですがカムシャフトのもっとも大切な山の部分にも摩耗は無くタールの付着とかも無いのでオイル管理は良かったと判断出来ます、またピストン頭とかバルブ回りにもカーボンの付着も少なくとても良い燃焼状態で有ったと考えられます、しかし水路に関してはやはりムースが廻っていて少し悲惨な状態でした。 つづく