ベンツ 722.6電子ミンション用トルクコンバーター強化リビルト品

「オートマチックトランスミッションのオーバーホール」
ミッションをオーバーホールするタイミングは車輌の状態によってそれぞれですが、10万キロ付近に到達したメルセデスには必ずと言っても良いほどやってくる、大きなコストが掛かるメンテナンスメニューのひとつですよね。

症状としてはミッション変速時のタイムラグや「ドン!」という振動、変速せずにホールド状態になったりリバースに入らなくなるなど…、更には前にも後ろにも動かなくなるケースもあります。

このトルクコンバータにダメージが発生するとクラッチがつながらない状態となり、いくらアクセルを踏んでも回転数が上がるだけで「前にも後ろにも動かなくなる」という症状が一番多く発生しています。


さて、そもそも「トルクコンバータ」ってどんな構造で、どんな働きをしていているの?
という方もいらっしゃるかと思うので簡単にご説明します。


トルクコンバーターは、動力の伝達を動作油を介して行う(流体クラッチ)装置です。
トルコン内部にはエンジン側、ミッション側の軸を介した「ポンプインペラー」と「タービンライナー」、他にトルクを増幅させる「ステーター」(固定翼)で構成され、内部にはATFが満たされています。

扇風機を2台向かい合わせにして一方のスイッチを入れると、もう一方の扇風機の羽根も風力によって回転しますよね、その原理でエンジンの動力をポンプインペラーからATFを介してタービンライナーへ伝達しています。
更に双方の間に設置されるステーターで、ATFの流れを制御してトルクを向上させています。
<日本メーカーサイトにて分かりやすく解説された3D動画>
流体クラッチのメリットは「なめらかな動作」と「トルクの増幅」ですが、クラッチとして使われている物体が液体なので動力のロスは避けられません。
更に、ポンプインペラーとタービンライナーの回転差が大きいほどトルクを増幅することが出来る構造上、双方の回転数が近づくにつれトルクが減少することによって燃費が悪化するなどのデメリットもあります。

そこで登場したのが「ロックアップ機構」を搭載したトルクコンバータです。
このロックアップ機構は、流体クラッチの欠点を解消するために、固体のクラッチ板を内部へ構成し、一定の回転数でクラッチをロックさせることによって、動力伝達のロスを解消したことで燃費の向上に成功しました。

前置きが長くなりましたが「722.6電子制御」以降のミッションに、このロックアップ機構が備え付けられています。

「デメリット」を解消するための進化を果たした「ロックアップ機構」ですが、製品が実用化されると「クラッチ板が劣化して動力を伝えられなくなる」という事例が発生するようになりました。
やはり従来の機械式ミッションに装備されたトルコン内部のパーツは殆どが金属製なのに対し、このクラッチ板を使うロックアップ機構付き電子ミッションは、どうしても耐久性に劣るということになるわけです。

更なる対策パーツとなるのが、このクラッチ板を強化した「強化トルクコンバーターリビルト品」。
このリビルト品に交換することで、ロックアップ機構に必要だった耐久性の問題を大幅に改善することが出来ました。

電子制御ミッション用のトルコンであれば、ほとんどの種類を在庫していますので直ぐにご用意が可能です。

W220用 強化トルクコンバーターリビルト品
W211用 強化トルクコンバーターリビルト品
W210用 強化トルクコンバーターリビルト品
もちろん機械式ミッションに使われているトルコンもオーバーホールをお受けできます。

ミッションのトラブルは千差万別、色々な症状と原因が潜んでいます。
不調を感じられたら出来る限り早い段階で、お気軽にご相談くださいませ。