W203のエアコンフラップ(内外気循環や吹き出し口を制御する蓋)は、各箇所にモーターを装備し、ギアを介して電子制御されています。
プラスチック製のギアは耐久性が低く、歯車が欠けてしまうケースを多く見受けます。
こうなるとエアコン操作時の吹き出し口選択がうまくできなくなってしまうので、フラップが少ししか開かず風が殆どでなくなる等の症状が発生します。
W203の場合、更に厄介なのが、エンジンを始動するたびに全てのフラップモーターへ電気が供給されてコンピューターとの交信を行う仕組みになっているので、このギアが欠けてしまうとエンジンをかけるたびに「バキッ!バコッ!」という不快な異音を毎回聞かざる終えない羽目になるわけです。
W203オーナーの皆さまにはお馴染みのウイークポイントなのですが、このプラスチック製ギアを交換するにはダッシュボードを全てバラバラにする必要があります。
欠けているギアの箇所にもよりますが、今回はチャコールフィルターの切り替えフラップ部分でしたので、更にエバポレーターやヒーターコアが収まるハウジングも脱着する作業となりました。
このフラップモーターに装着されるギアは、1台分のリペアキットとしての供給となりますので、何れにしても10カ所ほどあるモーターに装着されているギアを全て交換。
このギアに介する別のギアは、軸部分が微妙に曲がっている状態でした。
今回作業を行ったC32AMGはギアの交換だけで済みましたが、この状態で放置するとモーターに負担が掛かり同時交換が必要になる場合があります。