先日、W124/300TE-24Vのオーナー様より「無料リフトアップ点検」のご依頼をいただきました。
お話を伺ったところ、最近中古で購入されたばかりとのことで、現状を把握されたいのとメンテナンスプランのご相談を承りました。
並行輸入車1991年式でメーター走行距離15万キロ、見る限り今まで特に大きなパーツ交換もなく、エンジン、ミッション、デフからのオイル漏れや、足廻りのブッシュ類のへたり、燃料やブレーキのホース類の劣化など、走行距離と年式相当の状態でした。
その中でも特に目立ったのが、前オーナーのクーラント管理の悪さです。
(写真、上左)ラジエターサブタンクは、汚れでクーラントがどこまで入っているか見えない状態でした。ここまではよくあるお話なのですが、キャップを開けてみると(写真、上中)、タンク内一面に錆が広がって積もっている状態でした。
(写真、上右)ラジエターのドレインから抜いたクーラント…というより、錆びた水です。
この錆は、鋳物で創られているシリンダーブロックのウォータージャケットから発生しているのがほとんどで、こうなってしまった原因は、やはり防錆効果のあるクーラントの管理を怠ったことが大きく影響したと考えられます。
この状態で放っておくと、ラジエターやヒーターコアが目詰まりを起こしたり、シリンダーブロックの錆びによる腐食など、最終的にエンジンのオーバーヒートに結びつきます。
(写真、下中)ウォーターラインを洗浄してホース類とサブタンクを交換、エンジンのオイル漏れ(フロントカバー)と、点火系パーツのリフレッシュ、ファンベルト+テンショナー交換を同時に行い、ラジエターの目詰まりが心配でしたが水温も安定したので、ひとまず安心して乗れる状態になりました。
今回は「無料リフトアップ点検」で何段階かに分けて御見積をさせていただいた「ステージ1」の作業を行い、次回の「ステージ2」では足廻りなどのメンテナンスを予定しています。
クーラントの定期交換は、できれば車検毎(2年に1回)がベストです。
エンジンオイル交換の重要性は浸透しているように思えますが、ATFやデフオイル、ブレーキオイル、今回のクーラントなど、定期的な油脂類のメンテナンスは、お車の寿命を延ばすためにとても重要で、かつ基本的なメンテナンスです。
この夏、長距離運転の前に、いちど過去のメンテナンスを振り返えられると良いかもしれませんね。
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