ベンツW124 E500エンジン不調メンテナンス その5

「その4」からの掲載に時間が経ってしまいましたが、先日無事に納車が完了いたしましたので、ご紹介したいと思います。

(写真、上左)左側がクリーニングされたエキゾーストバルブ、右側が作業前の状態です。
中古で新調されたシリンダーヘッドの状態がとても良く、バルブのガタやヘッドの歪みも規定範囲内(ほとんど無い状態)でしたので、付属されてきた内部パーツをすべて使う事にしました。
(写真、上中、上右、中左、中中)洗浄液だけでは取り切れないカーボンやスラッジを、ハンドツールで丁寧に落としていきます。
バルブステムシール(写真、中右、下左)他ガスケット類を交換の上、ヘッドを組み上げていきます。

(写真、下右)腰下シリンダー部のクリーニングは、クランクシャフト、コンロッド、ピストンが装着された状態で、できる限り行いました。


(写真、上左)シリンダーにヘッドが装着され、タイミングの調整を行います。どのエンジンもそうなのですが、特にV型エンジンは神経を使う作業です。
(写真、上中)今回、故障の原因となったタイミングチェーンガイドです。本来あるべき場所に新品パーツが装着され、一安心ですね。

(写真、上右、下左、下中)エンジンが組上がりました。M119ユニットは大きく、エンジンルーム内での作業性が悪いので、あらかじめミッションを車体から取り外し、先にエンジンに装着した状態で車体に乗せていきます。クリアランスが少ないのでゆっくり慎重に…。
(写真、下右)エンジンが乗りましたので、細かなパーツを組み上げていきます。

エンジン始動の前にドライスタートを防ぐため、エンジンを何回かセルだけで回転させてオイルを内部全体に行き渡らせます。
この時、出来る限りセルとエンジンに負荷がかからないよう、プラグを抜いた状態で燃焼室のコンプレッションを逃がして、燃料がエンジンに供給されない状態で行います。

準備が整い、いよいよエンジン始動、緊張の瞬間です…。
V8エンジンの小刻みなセルの音の後「ブォン!」一発で始動!!

微調整、テストランを行い、作業前とは見違えるほどのなめらかな吹け上がりと、調子の良さを取り戻しました。

オーナー様、多くのお時間をいただきまして誠にありがとうございました。

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